屋根や外壁塗装の工事の際には、「足場」が設置されることをご存じでしょうか。

足場は言わば作業者用の「作業場所」であり、施工主が求めていなくても設置が必要とされます。

 

では、なぜ屋根工事に足場が求められるのでしょうか。

その必要性や施工の費用について詳しく解説します。ぜひご一読ください。

 

足場工事とはどのようなもの？なぜ設置されるの？

私たちの暮らしに身近な住まいやテナント、マンションや大型のビルなどの施工や修理の際には、足場が設置されています。

足場は足場工事だけが求められる場面は少なく、何かしらの高所作業を行う場面が発生すると、設置が行われています。

 

足場だけが組み立てられているところを見る機会はほとんどないですが、一般住宅の塗装や修理などの機会に組み立てられているところは目にしますよね。

 

では、足場工事とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

 

足場工事とは、足場の設置から解体を担う工事です。

例えば、新築住宅を受注すると、受注したハウジングメーカーはいろいろな業者に仕事を振り分けます。

 

基礎工事が得意な業者、電気工事業者、など専門分野を得意とする業者に依頼をしていくのです。

その中の1つに足場工事も存在しています。

 

足場業者は足場部材の適切な管理や従業員の雇用、教育を行っており、仕事の依頼を受けると建物に沿うような形で組立を遂行し、作業が終われば解体と撤収を行います。

 

では、なぜ足場の設置が必要なのでしょうか。

足場の設置は2つのメリットを生み出します。

 

まず1つ目は「作業効率の上昇」です。

足場の設置がない場合には、不安定な脚立などの狭い場所で作業を行う必要があります。

 

例えば足場がない状態で、塗装工事を行うとどうなるでしょうか。

色ムラができてしまったり、手が届かない場所が出てきてしまいます。

 

作業効率を良くし、美しく工事を仕上げるためには足場工事は欠かせない存在なのです。

2つ目は「安全性の確保」です。

 

高所作業は大変危険が多く、作業者が落下してしまったり、資材を落としてしまう可能性があります。

しかし、ある程度自由に歩行できる足場があれば、こうした事故リスクは下げることができます。

 

特に住まいの中でも一番高い位置を施工する屋根工事は、足場の存在が欠かせません。

 

足場工事の施工には種類がある

住まいのリフォームに欠かせない足場ですが、足場工事の施工には種類があります。

 

近年多くの場面で使われているのは「くさび緊結式足場」と呼ばれているもので、ハンマー1本あれば容易に組立ができる人気の足場です。

 

しかし、ハンマーによる騒音も気になることから、枠組足場や単管足場なども活躍をしています。

工事現場に必要な足場の場合には吊るタイプの足場も多く、移動式足場などユニークなタイプも活躍しています。

 

必要な作業や建物、工事内容に合わせて、柔軟に足場工事の内容も変えられています。

 

足場工事は不要にできる？

屋根工事や外壁塗装工事が必要となったときに、多くの人は見積もりを取得されるでしょう。

 

一般的にリフォーム工事は複数の業者の見積もりを取得することが推奨されており、費用や工期などをじっくりと見比べたうえで施工を依頼することがベストです。

 

しかし、見積書を見てみると驚くこともあります。

足場の工事費用が意外と高額だからです。

 

屋根工事を依頼する際には15万以上の足場代費用が請求されることも多く、足場代金は減らせないのか、という疑問を抱く人も少なくありません。

 

しかし、足場工事の必要性については先に解説のとおり、作業効率や安全性の面から欠かせない存在なのです。

また、足場の必要性については法律でも定義されています。

 

実は設置が必須？足場工事の重要性

足場に関するさまざまな定めを制定している労働安全衛生規則では、事業者に足場設置の義務がある旨も規定しています。

高さが2メートル以上ある箇所では、足場を組み立てるなどの方法で作業床を設けるように、と定めているのです。

 

つまり、必ずしも足場ではなくても良いものの、作業床の設置が求められている以上、安全な場所は設置する必要があります。

設置と解体、安全な作業場所の確保など効率面を考慮すると、足場がベストな答えです。

 

屋根に登ってしまえば足場は不要、ということにはならないのでご注意ください。

 

高さが2メートル未満の物置などの修繕や塗装なら、足場は厳密にいえば不要となりますが、施工範囲が広くさまざまな修理作業を必要とする場合は足場がある方が仕上がりはキレイになるでしょう。

 

作業者の安全面の確保要素も大きいので、たとえ高額であっても足場は欠かせない、と覚えておいてくださいね。

 

足場工事の意外な働き｜周囲への配慮もできる

屋根修理の工事は、屋根の解体を行う必要がある「葺き替え」や、塗料を使う「塗装工事」なども実施されています。

こうした工事は粉じんや塗料の飛散を招く可能性があり、実に慎重に工事を進める必要があります。

 

特に住まいと近隣宅との距離があまり離れていない場合には、飛散によってご迷惑をかけてしまうリスクがあります。

しかし、足場の設置はこうしたトラブルを防ぐ効果もあります。

 

足場工事ではただ単純に作業スペースを生み出すだけではなく、飛散を防止する効果があるネットを取り付けます。

この作業によって飛散リスクを大幅に下げる効果があり、養生の効果も高まります。

 

特に屋根工事は屋根上の作業が周囲に飛散しすく、注意が必要です。

足場をしっかりと設置して近隣への配慮を徹底しましょう。

 

足場工事の費用に目安はあるの？

足場工事は高い、というイメージがありますが、適正な価格を知るためには相場の目安もあります。

それは足場単価と呼ばれるものです。

 

足場単価はくさび緊結式足場や単管足場など、足場の種類によって異なっています。

この単価に住まいの大きさ（平方メートル）を乗じます。

 

また、作業者の日当も発生するため、足場工事の費用は厳密にいえば作業代と作業者代に分類されます。

足場単価を知るためには複数の足場業者に見積もりしてもらい、平均的な価格帯を探ることがおすすめです。

 

ネット上には費用の目安も公開されていますが、住まいの大きさや工事の難易度によって大きく異なるので注意しましょう。

 

まとめ

この記事では屋根や外壁の工事の際に必要となる「足場工事」に注目してお送りしました。

 

一般的に足場工事は高い、というイメージが先行しているようですが、足場があるからこそ美しい工事ができ、作業者の安全性も確保できています。

 

費用に疑問がある場合には、施工前に質問し、問題をクリアにしてからお願いするようにしましょう。