足場工事の撤去費用とは？基本の考え方

建物の外壁や屋根工事が完了した後、足場の撤去作業が必要になります。このとき発生するのが「撤去費用」です。設置費用と比べると見落とされがちですが、実は撤去にも人手と手間がかかり、それなりの費用が発生します。この記事では、足場工事の撤去費用について、費用の内訳や相場、コストダウンのポイントまで詳しく解説します。

撤去費用は設置費用に含まれている？

多くのケースでは、足場の「設置・撤去費用」がまとめて見積書に記載されており、個別に記されていないことがよくあります。しかし、撤去費用は設置とは別の工程であり、明確にコストがかかるため、内訳を確認することは大切です。とくに費用が分離されている場合は、見積の比較ポイントにもなります。

撤去費用の相場目安

一般的に、足場の撤去費用は「設置費用の20～30％程度」が目安とされています。たとえば、足場の設置に15万円かかった場合、撤去費用は3万円〜5万円前後になることが多いです。とはいえ、建物の立地や足場の規模、撤去にかかる作業環境によって上下するため、相場はあくまで目安にすぎません。

足場撤去にかかる費用の具体的な内訳

撤去作業には、資材を取り外して運搬するまでの工程が含まれます。作業の安全性も考慮され、丁寧に進められる必要があるため、単純な「逆作業」ではありません。以下に、代表的な費用項目を整理します。

解体作業の人件費

足場の解体には、設置時と同様に専門の職人が必要です。特に高所での作業が多くなるため、労働災害リスクも考慮され、人件費が一定以上かかります。また、解体時は資材を落下させないよう慎重に作業する必要があるため、スピードよりも安全重視で時間がかかる傾向があります。

資材の搬出・運搬費用

撤去後の資材は、再利用または返却のため、トラックでの搬出が行われます。このとき発生するのが運搬費です。現場と資材置き場の距離が遠い場合や、交通量の多いエリア、狭小地での作業は追加費用の原因となります。

現場の後片付け費用

足場の撤去後は、現場を清掃して整える必要があります。特に工事中に発生した細かなゴミや資材の残骸などがある場合、それらの回収や処分も含めて費用が発生します。業者によっては、撤去と同時に簡単な清掃まで行ってくれることもあります。

撤去費用が高くなるケースとその理由

撤去費用は現場ごとに条件が異なるため、一律ではありません。以下のような条件がそろうと、相場よりも高額になることがあります。あらかじめ注意しておくことで、予想外の出費を避けることができます。

立地条件が厳しい現場

都市部でトラックの駐車が難しい、狭い路地で作業スペースが取れないといった場合、作業効率が悪くなり、撤去に時間がかかるため費用が上がります。また、騒音や時間制限がある場合も作業時間が限定され、コストアップの要因になります。

高層建築や複雑な足場構成

3階建て以上の建物や、傾斜地に建つ住宅では、足場の撤去に技術と時間が必要です。また、建物の形状に合わせて特殊な足場を組んでいた場合、その分だけ撤去作業も複雑になり、費用が高くなる傾向があります。

設置から期間が空いた場合

長期間足場を設置していた場合、資材に汚れやサビが発生していることがあり、取り扱いに注意が必要です。その結果、撤去に手間がかかるため、費用が上乗せされる場合があります。

撤去費用を抑えるためのポイント

撤去費用を完全にゼロにすることはできませんが、工夫次第でコストを抑えることは可能です。以下にいくつかの実用的な方法を紹介します。

見積もりで内訳を確認する

設置と撤去の費用が一括で提示される場合でも、「撤去費用はどれくらい含まれているか？」を業者に確認しましょう。内訳が明確になれば、他社との比較もスムーズです。費用の透明性がある業者を選ぶのが基本です。

複数の業者に相見積もりを取る

撤去費用は業者によって差が出やすいため、複数の業者に見積を依頼し、費用だけでなく対応内容も比較しましょう。「撤去費用無料」とする業者もありますが、他の費用に上乗せされている可能性があるため注意が必要です。

設置と同じ業者に依頼する

設置と撤去を同じ業者に依頼すれば、トータルでのコストを抑えやすくなります。業者によってはパッケージプランを用意しており、個別に依頼するよりも割安に収まるケースが多く見られます。

まとめ：撤去費用を理解して工事全体を最適化しよう

足場工事において、撤去費用は見落とされがちなコストですが、安全かつスムーズな工事の完了には欠かせない工程です。相場や内訳を正しく把握し、適正な費用で納得のいく業者選びをすることが大切です。設置から撤去までをトータルで計画し、見積内容の透明性を確認することで、不要な出費を防ぎ、全体の工事費用を最適化することができるでしょう。