ー足場工事における高所作業の注意点|法律も詳しく解説!ー
足場工事は、建築現場において安全な作業場の創出のために欠かせない作業の一つです。足場は高所作業向けに組み立てられるものであり、建築業務のなかでも危険をともなうものとして知られています。
この記事では、足場工事における高所作業の注意点について、詳しく解説します。また、関連する法律にも触れていますので、ぜひご一読ください。
足場工事の高所作業のリスクと注意点
足場工事における高所作業には、足場の組立・変更・解体の一連の作業が該当します。高所作業の定義は法律で定められており、労働安全衛生法の基準に沿って「2メートル以上」となっています。安全措置は2メートル以上の作業に差し掛かった場合に必要となるため、足場作業は事実上すべて安全措置が必要です。
では、足場工事の高所作業におけるリスクと注意点には、一体どのようなものがあるのでしょうか。
転落の危険性
足場は塗装や建物のメンテナンス向けに設置されることが多く、迅速に設置工事をする必要があります。そのため、的確かつスピーディーに高所作業を進めなければなりません。しかし、あくまでも足場工事は人力で行うものであり、ミスが起きることもあります。
うっかり資材を持ってふらついてしまったり、足場の作業板を踏み外してしまったりすると、安全対策を講じていても転落するおそれがあります。転落してしまうと、最悪の事態として作業者が亡くなってしまうこともあるため注意が必要です。
天候の影響
足場工事は、天候に左右されるリスクがあります。そのため、風や雨などの悪天候が高所作業に影響を与える可能性も考慮しなければなりません。悪天候下での高所作業は、足場がぐらついたり、風による巻き込みで資材が落下したりするおそれがあります。特に枠組足場のように、高い建物向けに足場工事を進める場合は、天候を慎重に判断しながら作業を進める必要があります。
資材の落下
足場を組み立てる際には、さまざまな資材を持ち運んで組み上げていく必要があります。しかし、資材が引っかかったり、作業員同士が通行の際にすれ違おうとしてぶつかったりしたときなどの衝撃で、資材が落下してしまう可能性もあります。高い場所から金属の資材を落下させてしまうと、下にいる作業員のケガなどにつながるリスクがあるため、大変危険です。
高所作業を安全に進めるためにできること
足場工事は高所作業であり、常に安全対策を講じる必要があります。しかし、ミスが重なったり天候の急激な変化があったりすると、トラブルが発生する可能性は否定できません。
では、足場の高所作業を安全に進めるためには、一体どのようなことができるでしょうか。
作業者への適切な教育
足場工事でのリスクをできる限り下げるために、教育・資格制度が導入されています。特に初心者向けに導入されている「足場の組立等特別教育」は、「特別教育」と呼ばれる講習の一つで、安全な作業の第一歩を踏み出すための必須教育制度です。
これは安全な作業手順や装備などを学ぶために用意されており、平成27年に義務付けられました。作業に携わる方は、必ずこの特別教育を受ける必要があります。
作業主任者の設置
足場工事は、一人で作業を遂行できるものではありません。多くの作業者が協力しあって設置を進める必要があります。そこで、足場のなかでも吊り足場や張出し足場、そして高さが5メートルを超えるような足場の高所作業に関しては、「作業主任者」を設置する必要があります。
作業主任者は現場の監督的な役割を果たす仕事であり、作業者の統率も担当します。施工の指示だけではなく、事故の予防についても責任を果たす必要があるのです。
足場に関する法律とは|労働安全衛生法の概要
足場に関しては、安全な作業を遂行するために、法律によってさまざまなルールが導入されています。冒頭で述べたように、高所作業には2メートル以上といった定義があるのも、法律によって厳しく基準が整備されているためです。
では、どのような法律で足場のさまざまなルールが決められているのでしょうか。ここでは、「労働安全衛生法」 について詳しく紹介します。
労働安全衛生法とは
労働に関する多くのルールを整備している「労働安全衛生法」は、昭和47年に施行されました。もともとは労働基準法の一角をなす法律でしたが、労働環境の整備や遵守のために、独立させるような形で整備が進みました。
労働安全衛生法には、労働者の安全と健康や環境の整備といった要素が詰め込まれています。具体的な内容が定められた「労働安全衛生規則」には、足場に関する多くのルールも定められています。
第559条には足場の材料について、損傷や腐食などのダメージがあってはならないこと、木材を使用する場合(例・丸太足場)は虫食いなどの損傷がないことなどが記載されています。
使用時に関するルールも記載されている
労働安全衛生規則には、足場を使用する際の措置についても細かく定義が記載されています。第564条には、足場の組立や解体、変更作業の際には、範囲や順序を該当する作業者に周知させるよう命じています。
わかりやすくいうと、現場ではベテランも初心者も混合で作業にあたることが多いため、ベテラン勢が作業を迅速化してしまったり、初心者が何をしていいのかわからない状態に陥りやすかったりします。そこで、足場工事の現場ではきちんと統率をとり、「どこで、なにを、どのようにするべきか」指示をするように命じているのです。
先に述べたような作業主任者などは、こうした労働者管理も担います。同564条では、悪天候による作業の中止も記載されており、足場の作業中に悪天候に見舞われた場合には、早期に中止する必要があります。「まだ大丈夫だろう」などと過信をしないことが重要です。
まとめ
足場工事は建築現場において不可欠な作業ですが、否応なく危険がともないます。安全な作業環境を確保するためには、リスクの認識と適切な対策が欠かせません。法律や規制に基づいた安全対策を実施し、常に最新の情報を把握することで、高所作業のリスクを最小限に抑えて安全な作業環境が実現できます。
この記事を参考に、ぜひ今一度足場の安全対策を振り返ってみましょう。
福井県敦賀市で足場工事を請け負う株式会社Y-TRUSTです。当社は一緒に働く仲間を募集しております。 未経験からでも少しずつ学んでいくことで、一人前の職人を目指せます。楽しい雰囲気とストイックな仕事のメリハリをつけて働きたい方はぜひご応募ください。
会社名:株式会社Y-TRUST
住所:〒914-0124 福井県敦賀市市野々町2丁目157
TEL:0770-23-2123
FAX:0770-47-5455
営業時間・定休日:日曜日