足場工事の設置費用の基本を知ろう

外壁塗装や屋根修理などの工事に欠かせない足場工事ですが、「設置費用が高い」と感じる方も多いのではないでしょうか。足場は作業の安全性を確保するための必須設備であり、その設置費用には明確な理由があります。本記事では、足場工事の設置費用について、初心者にもわかりやすく解説していきます。

足場工事の相場はいくら？

足場工事の費用は、設置する面積や場所、工法によって異なりますが、一般的な相場は1平方メートルあたり600円〜1,000円程度です。たとえば、外壁塗装で約200㎡の足場を設置する場合、12万円〜20万円程度が目安となります。

費用が上下する主な要因

以下のような条件で足場費用は変動します。

* 建物の高さ（2階建て、3階建てなど）
* 敷地の広さや周辺状況（狭小地や隣接建物との距離）
* 足場の種類（単管足場、くさび式足場など）
* 設置日数や天候による延長リスク

こうした条件を踏まえたうえで、見積もりを複数社から取ることが大切です。

足場工事の費用内訳を詳しく解説

設置費用の総額には、単なる「レンタル費用」だけでなく、複数の要素が含まれています。次の項目を確認することで、なぜその金額になるのかが見えてきます。

足場資材の使用料（レンタル代）

資材のレンタル費用が設置費用の中心です。業者が所有している資材を使うか、外部からリースするかによっても料金は異なります。長期間の工事になる場合は、レンタル期間に応じた日割り計算も行われます。

運搬費と交通費

足場資材は重量があり、トラックでの運搬が必要です。搬入・搬出の距離や道路状況、駐車スペースの確保状況などによっても費用が増減します。都市部などでは駐車料金が別途発生することもあります。

組立・解体作業費

実際に足場を組み立てたり解体したりする人件費も見積に含まれます。人手不足の影響もあり、職人の確保が難しい地域では費用が高くなる傾向にあります。高所作業が多いほど、労働単価も上がります。

安全管理費

足場工事では墜落防止のための安全帯やメッシュシート、手すりなども必要です。こうした安全管理に関わる費用が上乗せされることがあります。特に公共工事や企業の現場では、厳しい基準が適用されます。

足場工事の種類と選び方のポイント

足場にも種類があり、現場の状況に応じて最適な方式を選ぶことが求められます。それぞれにメリットとデメリットがあり、費用にも影響するため、業者選びの段階で確認しておきたいポイントです。

くさび式足場

最も一般的な足場です。組み立てが早く、住宅工事に多く使われています。短期間の工事や一般的な戸建てにはこの方式が多いです。コストパフォーマンスにも優れています。

単管足場

円形の鋼管を組み合わせて作る足場で、自由度が高く、複雑な形状の建物にも対応できます。ただし、組み立てや安全確保に手間がかかるため、費用はやや高めです。

枠組足場

高層建築やビルの工事などでよく使われるタイプです。強度が高く、安定性もありますが、資材の重量が大きいため、運搬費がかさむ傾向があります。

足場工事の費用を抑えるための工夫

費用を抑えるには、単に「安い業者を探す」だけでなく、現場の条件や工事内容を踏まえた工夫が求められます。無理なコストカットは安全性の低下につながるため、注意が必要です。

複数社から見積を取る

一社だけの見積では相場感がわからないため、最低でも2〜3社から見積を取り、金額だけでなく内訳や対応力も比較しましょう。中には不明瞭な名目で料金が加算されていることもあるため、説明を求める姿勢が重要です。

工期の調整で費用を圧縮

繁忙期を避けたり、他の工事と時期を合わせることでコストを抑えることができます。足場の設置と外壁塗装、屋根修理などをまとめて実施すると、複数回の設置費用を1回にまとめられるメリットもあります。

信頼できる業者選び

安さだけで選ぶのではなく、実績や口コミ、保険の加入状況なども確認しましょう。安くてもトラブルが多い業者では、後々のトラブルで余計な費用が発生するリスクがあります。

まとめ：費用の理解が安全な工事につながる

足場工事の設置費用は、見た目以上に多くの要素が絡んでいます。単なる「足場代」と捉えるのではなく、作業環境や安全性、現場の条件などを考慮したうえで適切な金額であるかを判断することが重要です。費用の内訳や相場を正しく理解することで、不要な出費を避けつつ、安全でスムーズな工事を実現することができます。